福島民友新聞家庭版「Me&You」26年2月号に掲載されました

小さな芽~子どもたちが持っている「力」~ 理事長 若月 ちよ

子どもたちは本来自分の気持ちを伝える力、自分で何かを選んでいく力を持っています。子どもたちの「生きる力」を育てなくてはならない、と言いますが、子どもたちは生まれながらにいろんな「力」を持っていて、その力をそのまま伸ばしていけるように、まわりの大人が関わってあげればいいのだと思うのです。
アメリカ等諸外国に比べ、日本の子どもたちは「自分の能力に対する評価が低い」「自分に対する自信を持てない」という調査結果があります。なぜなのでしょう。

私は、CAP(キャップ:子どもへの暴力防止プログラム)の活動をしているのですが、その中で、「自信」についてお話をするところがあります。
「『自信』って、今まで難しくってできなかったことが、やってみたらできた時の気持ちだね」と、「自信」を定義し、子どもたちに尋ねます。
「みんな、どんな時に『自信』持つかな?」この問いに子どもたちは、自分の体験から、口々に「自信」を持った体験を語ります。

ある幼稚園のワークショップでのこと。
自信について問いかけると子どもたちは、「あのね、ニンジン食べられた時」「えーとね、ジャンバーの前のところを、ジーってあげられた時」「ボタン、ひとりでできた時」

私たち大人から見たら本当に小さなこと。
でも、その「小さなできたこと」を認めてもらうことの積み重ねが、自信につながり、生きる力を育むことにつながるのです。
子どもをほめることって難しいと言いますが、こういう小さいことからなら、ほめることっていっぱいありますよね。
できるまで、ちょっとだけ待ってあげる。そして、できたらほめる。
いえ、やろうとしていることをほめることも大事、がんばっている過程をほめることも大事です。
ひとりで、ボタンをはめることができた瞬間に、本人の「できた!」と一緒に喜んであげることも大事です。
そう思いながら子どもたちを見ていると、子どもって毎日いろんなことにトライしてがんばっている・・・そんな風に見えてきませんか。
「できなかった」が「できた!」になった瞬間、世界が広がり、また次へと進んでいける、また、やってみようとする気持ち(意欲)につながるのです。
子どものやる気を育てるって、そんな日常の中からだと思います。
今日、お子さんは何にトライしていますか?

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