福島民友新聞家庭版「Me&You」26年7月号に掲載されました

小さな芽~子どもとの距離~ 理事長 若月 ちよよ

子どもが小さいころ、子どもと親との距離について話を聞いたことがありました。
子どもとの距離は「年齢×10cm」だというのです。

0歳の時、0歳×10 cm=0cm…抱っこしたり、おっぱいを飲んだりと親としっかり接触しながらの時期だから、距離は0cm、納得です。
1歳の時、1歳×10 cm=10cm…子どもは独り歩きを始めますが、まだ危なっかしい足取り。ですから転びそうになった時にいつでも手を差 し伸べて届く距離、だから10cm。
3歳の時、3歳×10cm =30cm…少しずつ自分の世界を広げはじめ、公園では他の子との関わりも求めていきます。そんな時は、親は一歩離れて子どもを見守ります。でも何かあった時は、手を伸ばしてすぐに助けてあげられる、30cmはそんな距離。
10歳は100cm、1mです。数歩離れていて、手を伸ばしても届かない距離でしょうか。でも、何かあった時は駆け寄ってあげることはできる距離です。ですから、子どもは親と離れていても、安心して時分の行動範囲を広げることができます。
15歳は150cm、1.5mです。ずいぶん離れましたね。子どもが向こう側を向いていたら、なかなかその表情はわかりにくかったりするでしょう。
また、近づこうとしても、子どもがその距離を保とうとして離れたら、容易に触れることができない距離。反抗期といわれる時期、子どもは確実に親との距離を取っていく時期です。親の役割は、子どもを見ていながら、口出ししすぎずにいることでしょうか。
20歳は2mです。もう、もう親が手を出すのではなく、自分で様々なことができるようになっている年齢です。社会の中で、自立して生活していけるように。

親がこの距離を知っていると、いつまでにその手を離さなくてはいけないのかがわかりやすいように思います。
子育ての目的は、「子どもの自立」ある日突然、それまで手取り足取りしてきたことを離すことは無理です。少しずつ手を出していたことを本人に手渡し、自分でできるようにしてあげることが必要です。

お子さんとの距離は、今何cmですか。

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