福島民友新聞家庭版「Me&You」26年11月号に掲載されました

小さな芽~「がんばる」ということ~ 理事長 若月 ちよ

日本人は「まじめ」だと言われ、そして、基本的に「がんばる」ことを良しとします。もちろん頑張ることは、素晴らしいし、夢をもって、本当にやりたいことをわくわくしながら頑張っているのであれば、それは大丈夫だと思います。

でも、無理して頑張りすぎてしまうとどうなるでしょう。
今、「がんばりすぎる」子どもたちの姿が見られます。それは、自分がやりたいと思うことを頑張るのとはちょっと違って、周りの期待に応えようとして頑張る姿です。頑張れない自分はダメだと、自分にダメ出しをしている子どももいます。
子どもは健気です…まわりから求められるとそれに応えようとします。無理をして我慢して頑張ることを続け、力尽きてしまう、そんな子どもたちは、突然動けなくなってしまいます。それが不登校という形になって現れたり、不登校にならないで頑 張り続けると具合が悪くなってしまうこともあります…これは、大人でもあることですよね。

「うちの子は頑張れないんですよね」そう話す親御さんもいます。どうせ自分なんて、頑張ったってできるわけがない、そんな風に思っている子どもたちもいます。自分の力に自信を持てない子どもたちです。実は、頑張りすぎる子どもたちも、 頑張れないと思われている子どもたちも「自分に自信がない」、今のままの自分じゃいけないと思っている子どもたちなのです。だから、頑張っている自分をまわりから認めてもらおうとするし、一方では、ダメな自分だと自分であきらめてしまってい るのです。

「ありのままの自分」というフレーズが流行りましたが、無理して頑張る自分ではなく、そのままの自分でいい、何かができないと人間としての価値がないということではなく、生きてそこに存在することに価値があるのです。
子どもたちは、生まれてきたその瞬間から、それぞれに素晴らしい力をもっています。その力を子ども自身が信じて育っていけるように、まず、私たち大人が、その力を信じてあげましょう。

無理して頑張らなくていいんだよ。そんな言葉をかけてあげたいですね。

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