福島民友新聞家庭版「Me&You」27年9月号に掲載されました

小さな芽~「いや」という気持ちの言葉~ 理事長 若月 ちよ

「いや」…2~3歳のいわゆる第1次反抗期に子どもが口にする言葉です。それは、確実に赤ちゃん期から子ども期に成長してきた証し。
1歳過ぎて、それまで言葉が通じなかった赤ちゃんが、少しずつ大人の言葉を理解し、大人が指示したことをやってくれると、大人は大喜び。そして、子どももその喜ぶ大人の反応に、また同じことをやり、できたことに自信を付けていきます。
そして、そんな子がある日突然、「いや」と言い始めます。親にした ら衝撃的な出来事です。『今まであんなに素直でかわいかった子が』と思ってしまうほど、扱いに困る時期でもあります。

でも、この「いや」が、実はとても大事な言葉なのです。
それは、「いや」という言葉は、「○○がしたいから、今は△△するのはいやだ」という明確な気持ちの言葉だからです。今、このおもちゃで遊びたいから、片付けたくない、ご飯食べたくない、お昼寝したくない…。そんな気持ちの言葉です。
ですから、その言葉を受け止めることは、気持ちを受け止めることなのです。子どもの「いや」を聞いていたらわがままになってしまう、と思うかもしれませんが、それは違います。「今はいやなんだね」と一度受け止める。そして「じゃあ、もう少し遊んだらお片付けしようね」などと声掛けをして、子どもの気持ちをおさめながら次の行動に誘っていく。大人の知恵の出しどころです。
ちょっと面倒くさいなあ、と思うかもしれませんが、実は、とても大事なことなのです。

「いや」は大事な気持ちの言葉。それは自我の芽生えの現れです。この時期にやみくもにそれを「ダメ」と拒絶してしまうと、その自我は否定され、気持ちを表現できなくなります。大人の指示に従う方法しか取れなくなり、大きくなっても自分で自分の気持ちがわからない、自分で自分のことを決められない、そんなことにつながっていくのです。

自分が嫌な気持ち、怖い気持ちになることを相手にされたら「いや」と言っていい。そんなことをされることは「いや」だと伝える。それは、自分を守ることにつながるのです。

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