福島民友新聞家庭版「Me&You」28年2月号に掲載されました

おもいやり 理事長 若月 ちよ

我が子には思いやりを持った子になって欲しい、親の願いのひとつな のではないでしょうか。「思いやり」ってどうしたら育つのでしょう。

ひとつは、子どもの時に思いやりのある体験をいかに目にすることができるか┈まわりの大人が、思いやりのある行動を表すことで、子どもは学ぶことができます。
重い荷物を持って大変そうな人がいたら、声をかけて手伝ってあげる、バスの中で席を譲ってあげるなど、大人が見本を示すことで伝えることができ、子どもはそれが「思いやり」の表し方であることを学びます。

もうひとつ、大事なことは、自分自身がいかに大切にされているか、を体感できていることです。自分を大切に思える子は、相手のことも大切に思うことができます。自分を思いやれる子は、相手にも思いやりの気持ちを持つことができるのです。
いかに、まわりの大人から愛されているか、信頼されているか┈それは、何かができたから、いい子でいるからといった代償に与えられるものではなく、無条件に、存在自体を受けいれてもらえる愛であり、信頼であることが大事なのです。
子どもに、「~ができたら、○○を買ってあげるね」とか条件を出して、子どもにやる気を持たせるとことはあります。でも、愛情や信頼は、条件付きで与えられるものではないですよね。無条件に愛されている、信頼されていることを感じている子どもたちには、思いやりの気持ちが育つのです。

もし、「うちの子は思いやりがないなあ」と感じることがあるとしたら、お子さんは、今は、相手を思いやれるだけの気持ちの余裕がないのかもしれません。自分自身を大切に思えることができない、そんな状況にあるのかもしれません。そんな時は、「どうしたの?何か困っているなら、いつでも相談に乗るよ」と、声をかけてあげてください。それこそ、「思いやり」の体感です。
そして、人には思いやりの気持ちが持てない時だってあります。思いやりを持つべき、と強いるのではなく、愛情と信頼をもって見守ってあげることも、大人のできることではないでしょうか。

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