福島民友新聞家庭版「Me&You」28年6月号に掲載されました

人の間(あいだ)で 理事長 若月 ちよ

生まれたばかりの赤ちゃん、泣いて、おっぱい飲んで、眠って、笑うようになって・・・その存在だけで、まわりに癒しを与えてくれます。

でも、24時間お付き合いをしているお母さんは、そうとばかりは言っていられないですよね。夜泣きをされると大変だし、赤ちゃんに振り回される毎日に、少々疲弊気味、というお母さんもいるでしょう。
そんな時は、遠慮なく一緒にお出かけしてください。
家庭の中にばかりいると、そこは2人だけの世界。安心して居ることができるのであれば良いのですが、イライラがたまってくるようであれば、それは注意信号です。かわいい赤ちゃんでも、ずっとお世話をして、
ずっと赤ちゃんだけを見ていたら、いろんなことが気になってしまうのも当然です、良くも悪くも・・・。
イライラがたまってくる前に、お出かけをして、誰かに会いましょう。
赤ちゃんを連れていると、お散歩をしているだけでも、声を掛けられますよね。「かわいい赤ちゃんですね」と声を掛けられるだけでも、何か嬉しい気持ちに。そして、「でも、夜泣きが大変で・・・」と返すと「そう、それは大変ですねぇ」と共感してもらえたりします。すると気持ちがわかってもらえた感じで、さらにうれしくなりますよね。
そうです。さっきまでイライラしていた気持ちがそうしたことだけでも少し癒されます。

そして、赤ちゃんも、お母さん以外の人と触れ合う機会になります。いつもと違う声掛だったり、いつもと違う抱っこのされ方だったり、いつもと違うあやし方だったり。それによって、赤ちゃんの反応もいつもと違ったりするのです。

人は一人では大きくなることはできません。親も含めたまわりの人の力を借りながら大きくなっていきます。人は人との間で「人間」になっていくのです。お母さんだけではない、多くの人とかかわることで子どもたちはより幅の広い「人間」に育っていくのです。
お母さん、ひとりで子育てしょうと思わず、遠慮なく多くの方の手を借りてください。それが、よりお子さんの育ちを支えることになります。
人は人の間で「人間」になるのですから。

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