福島民友新聞家庭版「Me&You」28年10月号に掲載されました

「ほめる」ということ 理事長 若月ちよ

子どもは、ほめて育てましょう、そんな風に言われます。でも、我が子はほめるところなんてない、どんな風にほめていいか、わからない┈┈そんな言葉も、よく耳にします。

皆さんは、どんな時にお子さんをほめていますか。
テストの点数が上がった時、スポーツで結果を出した時┈┈何かできた時だけほめていると、親にほめられるためにがんばる、ということになりがちです。
また、親の言うことを聞いてくれた時だけ、「よくできたね」「えらかったね」とほめるとします。それもまた違います。
誰かと比べてほめること、これも他の人と自分を比べてしまうことになります。
ほめることが、お子さんを評価することになってしまったら、子どもたちは、大人から、良い評価を受けるために、行動する、ということになってしまいます。
私たちは、子どもたちに、「親の期待に応える子になってほしい」とか、「親の言うことを聞く子どもになってほしい」とか、思っているわけではないですものね。

前記のことをほめることが悪いというわけではありません。そのこと「だけ」をほめるとしたら、違うのではないかと思うのです。
だとしたら、どんな褒め方が良いのでしょう。
たとえば、お手伝いをしてくれた時、「ありがとう、とても助かったわ」とほめることは、感謝の気持ちを伝えることであり、子どもにとっては、自分が他の人に役に立った、という喜びを感じることができます。また、結果だけを見てほめるのではなく、結果に至る経過をほめてあげることも、子どもにとっては、ちゃんと見ていてもらえたことを感じ、結果を出すため努力することができるようになってくるでしょう。
そして、ほめる時は、ちゃんとお子さんの目を見て、時には抱きしめたり、頭をなでたり、気持ちが伝わるように、態度で示すことも大切です。

ほめることは、子どもの自信を育み、自己肯定感を育てます。
素直な気持ちで、ほめてあげてください。

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