福島民友新聞家庭版「Me&You」28年11月号に掲載されました

不登校を考える(1) 理事長 若月 ちよ

子どもが突然、学校に行けなくなる┈┈「おなかや頭が痛い」「朝起きられない」「微熱が続く」┈┈そんなことが子どもに起き、学校に行けなくなることがあります。

「不登校」は、親にとっては青天の霹靂┈┈多くの親が、突然の出来事に、このままずっと学校に行けなくなるのではないか、「ひきこもり」になってしまうのでは、と先の先まで考えて心配が広がってしまうこともあります。また、行きたくない理由はなんだろう、「いじめ」だろうか、と原因探しに気持ちが向いてしまったりもします。

私たち大人も、「仕事に行きたくない」と思うことがあるし、状況が整えば、有給休暇を使ってお休みすることも可能です。子どもたちだって、「学校に行きたくないなあ」と思う日があっても、当然なのではないでしょうか。でも子どもたちには、有給休暇はありません。
「学校へは行かなくてはならない」と子どもたちは頑張っています。もちろん学校が楽しくて楽しくてという子もいるでしょう。でも、中には「頑張って」行っている子もいるのです。そして、その頑張りが続かなくなってくると、体や心に変化が起きてくるのです。

それが冒頭の症状です。ですから、学校に行けなくなった子は、甘えているわけでも、わがままなわけでもないのです。むしろ、まじめな頑張り屋さん。頑張ることにちょっと疲れてしまったのです。そんなときは、ちょっとお休みしても良いのではないでしょうか。
そして、話したいことをゆっくり聴いてあげてください。聴くだけでいいのです。アドバイスや教訓はいりません。もし、まだ話せない時には、いつでも話したくなったら聴くからね、と声をかけ、ゆっくり休ませてあげてください。
学校に行けなくなった瞬間は、それでいいのだと思います。

まずは、「学校に行けない」「行きたくない」気持ちを受け止めてあげてください。
「今は、そう思うんだね」と。

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