福島民友新聞家庭版「Me&You」27年7月号に掲載されました

小さな芽~子どもたちに生きた体験を~ 理事長 若月 ちよ

ゲームの世界、それは子どもにとって魅力的な世界です。
目的や目標に向かって、自分のレベルで挑戦することができ、レベルアップをしていく達成感や充実感。それは子どもたちにとって自信につながるものではあります。
でも、最近のゲームは以前のテレビゲームとは異なってきているようです。「オンラインゲーム」と呼ばれるネットを通じ、離れた相手とプレーすることができるようになり、様々なゲームをエンドレスに選んでいくことができる。つまり、仮想現実(バーチャル)の世界で、ゲームの中でつながった仲間たちと共に、終わりのない物語の世界で遊ぶことができる。そこに、子どもたちをとらえる魅力があるようです。
仮想現実世界で、自分は主役であり、登場してくる参加者はゲームの中で安全にコミュニケーションを取ることができる仲間として存在します。その世界は現実とは異なり、傷つけられたりしない、安全な(?)世界であり、もし嫌になったら、いつでも電源を切ることで終わりにすることができる。そんな世界でもあります。また、そうした世界だからこそ、はまってしまうのでしょう。
でも、そんな子どもたちからゲームを取り上げるということは、現実的な話ではないのかもしれません。
では、どうすればいいのか。
現実の世界にある楽しくて、うれしく、わくわくする「生きた体験」を小さい時からいかに経験させるかではないかと思います。
バーチャルの世界では得られないこと―それは、五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の中で視覚・聴覚以外の感覚ではないでしょうか。特に「触覚」︱体に感じる風の温かさや冷たさ、動物に触れた時の命のぬくもり、友だちと手を握り合った時の信頼感、お母さんに抱きしめられた時に感じる安心と愛情…。それはバーチャルの世界では感じることのできない感覚です。味覚や臭覚もそうですね。おいしいと思う感覚は喜びを与えてくれますし、花の香りは安らぎを伝えてくれます。

五感を伴った「生きた体験」は、バーチャルでは得られない、とても魅力的な体験です。バーチャルの世界に触れる前に、たくさんの生きた体験をぜひ子どもたちに経験させたいですね。

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